今日の遺品整理談話その②

公団のお片付けを久しぶり依頼されました。お客様はこの頃から随分と親しみやすく、接しやすくなった記憶があります。

お客様は私達スタッフをお昼ご飯に誘ってくれました。私達は遠慮なくご馳走になりました。

食事中にお客様がボソボソと話はじめました。

奥様の事でした。奥様がネグレクトなんだよと。

それで毎回頼んでるとおっしゃっていました。

この食事中の時にみせるお客様の顔が忘れられません。普通に聞いたらただの愚痴に思える事が、何だか淋しい気持ちになりました。

それから数年後にまたお問い合わせがありました。

今回も同じ内容でのご相談です。もちろん私達はこころよくお引き受けさせて頂きました。

この時もお昼ご飯にお誘い頂きましたが、奥様もご一緒されるとの事で、少し緊張したのを覚えてます。

いろいろ問題をお抱えのご様子でしたが、お二人とっても仲が良くお似合いでした。

それから更に数年後の最近になりますが、お問い合わせがありました。お電話口のお客様は開口一番に私の事を気遣って頂くお言葉をもらい、本当にこころ優しい方なんだなと思いました。

私はこのお客様に、感謝しかありません。

私が仕事をはじめた原点に立ち返らせてもらえるきっかけを与えて頂きました。

お客様自身、健康とはいえない状態での献身的な奥様へのサポートはこころ打たれるものがあります。部屋をいくら汚されてゴミ屋敷にしようとも奥様の意見を尊重し、必死にお二人で生活されてる。

その事実に応援したくなります。

私もこころ家を設立した思いはいくつかありますが、中でも困っている人の役に立ちたい。よくある動機かもしれませんが、とても難しい事だと思っています。

仕事は何でも同じだと思いますが、お金の為に働くのはつまらないですよね。

その事に改めて気が付かせてくれるお客様です。

末永く出来る事でサポートしていければと思います。

株式会社こころ家 代表取締役 山本健